Roche 傘下の独立性 — ハイブリッド経営の妙
中外製薬は Roche グループの一員でありながら、東証プライム上場の独立上場会社という特殊な立場を維持している。Roche が発行済み株式の 61% を保有しつつ、残りは一般投資家が保有する形だ。
この「部分上場」モデルの利点は Roche の製品パイプラインへのアクセスと、独立した研究開発の両立にある。Roche の開発品を日本 / アジアでのライセンス販売する形でリスクを分散しながら、自社開発品 (ヘムライブラ等) の グローバル展開を進められる。
Roche 持分 61 %
売上高 1.1 兆円
営業利益率 35 %
ROE 27 %
自社創製品の競争力 — ヘムライブラとその先
中外の自社創製品の看板はヘムライブラ (エミシズマブ) だ。血友病治療薬として Roche との共同開発でグローバル展開し、日本でのロイヤルティ収入が業績を支えている。
FY24 時点でのヘムライブラの日本向け売上は約 700 億円。グローバルでの売上は約 5,000 億円規模で、そこから日本分のロイヤルティが中外製薬に入る構造だ。
ヘムライブラ売上 700 億円 (日本)
R&D 費率 16 %
パイプライン数 20+ 品目
Roche 依存と薬価改定リスク
リスクの筆頭は薬価改定だ。日本では 2 年毎に薬価が見直され、長期収載品は段階的に価格が引き下げられる。中外の主力品であるリツキサン等は特許切れが近づいており、後発品による侵食が始まっている。
Roche 依存のリスクも無視できない。Roche の経営方針転換や新興国優先戦略によって、日本向けライセンスの条件が変更される可能性がある。
Roche 連携品依存度 58 %
薬価改定頻度 2年毎